令和2年度のメインテーマを「地盤とリスク」とし、今年度の2回目となる第74回研究会を下記の講演で企画しました。
大規模土木工事で発生する掘削残土は、活用場所が限られ、海岸隣接地等で埋立処分や、造成地に活用されています。工場跡地の掘削残土ではいろいろな有害物質で汚染されていることが多く、トンネル工事で出てくる掘削残土も自然由来の重金属を含むことがあり、とりわけ重金属による汚染は処理の困難さと影響の大きさから社会的な問題となっています。土壌汚染問題に長年取り組んでこられた大阪大学の乾 徹先生から、日本の土壌汚染問題の現状から埋立地盤の力学的な挙動や重金属の挙動など、汚染問題の課題と解決の展望まで講演いただきます。
次の講演は、建設分野の技術者にとって、日々の営業的な活動で切実な問題の入札契約制度について、その制度を運用されている国土交通省近畿地方整備局の企画部技術管理課長の藤本正典様より、制度の概要から最新の情報を講演いただきます。民間の技術部に所属する方々にとって、入札のための技術資料や技術提案を作成する上で、参考になるヒントが盛りだくさんです。
最後の講演は、従来の調査、設計、施工の流れにおいて、最初に行われる地盤調査結果が設計や施工を支配することになりますが、調査における漏れや誤判断等で後に続く設計施工に大きな課題を与える地盤リスクについての話題です。地盤リスクについて、これまでの講演において企画を立てることができていませんでした。長年、地盤リスクの問題について取り組んでこられた基礎地盤コンサルタンツ(株)会長の岩﨑公俊様より、経験された地盤リスクの事例から、現場で生じている大きな問題、リスクをマネジメントする方法に加え今後の展望も講演いただきます。
今回の3つの講演は土木施工を担当する技術者にとって実務を担当する面から、極めて有益な内容の講演です。いずれも興味ある話題の講演会であり、広めの会場を準備し、京都府の指導に従ったコロナ対策を取りながら、できるだけ多くの方に参加いただけるようにしています。
ただし、新型コロナ感染拡大等の情勢の変化で開催様式の変更が生じることがあることはご承知下さい。
本講演会は、京都府土木施工管理技士会および公益社団法人土木学会 岩盤力学委員会の後援をいただいています。また、講演は土木学会CPDプログラム及び土木施工管理技士会CPDSプログラムとして登録申請中です。
記
主 催:一般財団法人 地球システム総合研究所
後 援:京都府土木施工管理技士会
土木学会 岩盤力学委員会
日 時:令和2年11月20日(金) 午後1時30分~5時10分
会 場:キャンパスプラザ京都 4F 第2講義室(京都市下京区西洞院通塩小路下る TEL 075-353-9111)
定 員:140名
参加費:資料代2,000円(法人・一般会員は年会費に含まれています)
【内容・講師】
13:30~13:35 開会挨拶 京都地盤研究会 会長 大 西 有 三
(京都大学名誉教授)
13:35~14:45 「海面処分場埋立地盤の強度変形特性と重金属の挙動」(仮題):
大阪大学大学院工学研究科 教授 乾 徹
14:55~15:55 「入札契約に係る取組みと最近の話題」(仮題):
国土交通省近畿地方整備局 企画部 技術管理課長 藤 本 正 典
16:05~17:05 「地盤リスクマネジメントに関する最近の動向」(仮題):
基礎地盤コンサルタンツ株式会社 代表取締役会長 岩 﨑 公 俊
17:05~ 閉会挨拶 京都地盤研究会 副会長 岸 田 潔
(京都大学大学院工学研究科 教授)
申込み方法:令和2年11月13日(金)までに別紙FAX用紙に、申込み代表者名、参加者氏名、勤務先所属等を記入の上、事務局までお申し込み下さい。
申 込 先:(一財)地球システム総合研究所内 京都地盤研究会 宛(TEL: 075-354-5020 FAX: 075-354-5030)
※お願い:事務局にはスタッフが常駐していません。ご用の場合は、080-5632-2278(事務局担当代表幹事 安川)まで連絡下さい
:参加者は必ずマスク着用で参加下さい。また、参加者は厚生労働省等の「接触確認アプリ」をダウンロードいただいた上で参加いただくことを推奨します。
:土木施工管理技士会連合会によるCPDSの認定証明が必要な方は、申込用紙にその要否をご記入下さい。当日は、ご本人を証明するCPDS技術者証または運転免許証をご持参下さい。