京都地盤研究会は、令和元年度のメインテーマを「多発災害に挑む」とし、今年度第2回目の第71回研究会を以下の3つの話題の講演で企画しました。
2011年(平成23年)に日本に上陸した台風12号は紀伊半島に未曾有の豪雨災害をもたらしました。奈良県の南部山地では大規模な深層崩壊が発生し、河道閉塞などの自然ダムが形成されたりしていました。崩壊した斜面はそれ以上崩壊が進まないように崩壊防止工事が必要です。しかし大規模で急斜面の工事は危険を伴うためロボットを導入した機械化施工が進められています。奈良県五條市赤谷地区の深層崩壊斜面で、7年にわたって危険な工事に取り組んでこられた鹿島建設の赤谷工事事務所長の江口健治様から当地の事故の状況、取り組まれている工事の内容、採用されている技術の概要、そして今だから言える苦労の内容など、直接講演いただきます。
北陸新幹線は現在、金沢から敦賀までの延伸工事が精力的に進められています。この間の工事では地盤条件等で困難を極める課題にも取り組み、技術的な課題を解決しながら建設が進んでいます。現在、事業の監理に取り組まれている鉄道建設・運輸施設整備支援機構大阪支社長の渡邉 修様から、現在の施工状況や技術的取組み状況について講演いただきます。
平成は災害の多発した時代と言われるように2010年(平成23年)代以降は、毎年、日本はどこかで豪雨災害を経験しています。土木技術者は自然災害に立ち向かわなければならない宿命を負っています。近年続く豪雨の特徴や発生する河川災害についての知識は災害に立ち向かう技術者の必須の知識と言えます。最近の豪雨の傾向と河川災害の特徴などについて京都大学防災研究所教授の中川一先生から直接講演いただきます。中川先生には平成22年(2010年)に洪水と河川堤防の話題で講演いただいていますが、近年の豪雨と多発災害の発生を受けて、改めてご講演をお願いしました。
今回の3つの講演は土木施工を担当する技術者にとって極めて有益な内容の講演です。いずれも興味ある話題の講演会であり、広めの会場を準備し、多くの方々の参加をお待ちしております。
本講演会は、京都府土木施工管理技士会および公益社団法人土木学会 岩盤力学委員会の後援をいただいています。また、講演は土木学会CPDプログラム及び土木施工管理技士会CPDSプログラムとして登録申請中です。
記
主 催:一般財団法人 地球システム総合研究所
後 援:京都府土木施工管理技士会
土木学会 岩盤力学委員会
日 時:令和1年10月30日(水) 午後1時30分~5時20分
会 場:キャンパスプラザ京都 4F 第2講義室(京都市下京区西洞院通塩小路下る TEL 075-353-9111)
定 員:200名
参加費:資料代2,000円(法人・一般会員は年会費に含まれています)
【内容・講師】
13:30~13:35 開会挨拶 京都地盤研究会 会長 大 西 有 三
(関西大学客員教授、京都大学名誉教授)
13:35~14:35 大規模深層崩壊による河道閉塞対策事例/赤谷地区対策工事の概要
鹿島建設株式会社関西支社 赤谷工事事務所長 江 口 健 治
14:45~15:55 北陸新幹線(金沢・敦賀間)建設における技術的取組み(土木の側面から)
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 大阪支社長 渡 邉 修
16:05~17:15 最近の豪雨と河川災害
京都大学防災研究所流域災害研究センター 教授 中 川 一
17:15~ 閉会挨拶 京都地盤研究会 副会長 岸 田 潔
(京都大学大学院工学研究科 教授)
申込み方法:令和1年10月24日(木)までに別紙FAX用紙に、申込み代表者名、参加者氏名、勤務先所属等を記入の上、事務局までお申し込み下さい。
申 込 先:(一財)地球システム総合研究所内 京都地盤研究会 宛(TEL: 075-354-5020 FAX: 075-354-5030)
※お願い:事務局にはスタッフが常駐していません。ご用の場合は、080-5632-2278(事務局担当代表幹事 安川)まで連絡下さい。
:土木施工管理技士会連合会によるCPDSの認定証明が必要な方は、申込用紙にその要否をご記入下さい。当日は、ご本人を証明するCPDS技術者証または運転免許証をご持参下さい。