平成29年度のメインテーマを「新技術で測る」とし、今回の第66回研究会は、次の3つの話題で企画いたしました。
平野部に高速道路を盛土構造で建設するとき、道路盛土によって地域が分断されます。盛土構造は,切土など建設発生土を用いることで橋梁構造に比べ建設費を抑えられますが、地域分断、圧迫感、風通しの問題,景観問題等で地域に歓迎されにくい構造となっています。これらの問題を解決するために、盛土に連続的にプレキャストのアーチカルバートを導入した構造の開発が進められています。景観にすぐれたプレキャスト構造のアーチカルバートの開発を、模型実験や数値解析を通じて耐震性の検証を行ってこられた京都大学の岸田潔先生に、これまでの開発の経緯も含めて講演いただきます。
平成23年の東北大震災の発生を受けて、次の南海トラフの巨大地震の発生が心配されています。南海トラフの巨大地震は2038年までに発生するとの説もあり、その予測に迫るための観測も続けられています。間違いなくやってくる南海トラフの巨大地震の発生や、その実像を明らかにすべく、日夜研究に取り組まれている京都大学防災研究所の西村卓也先生から、最近の観測データを含めこれから発生が予測される巨大地震の実像を紹介いただきます。
最後の講演として、近畿エリアの地元の話題として、和歌山県について講演いただきます。和歌山県は、2011年に「紀伊半島大水害」と呼ばれる未曾有の降雨災害を経験し、南海トラフの巨大地震の発生も予測され、災害に強い強靱なインフラ整備が求められています。和歌山県のインフラ整備の現状と予測される災害に強靱な県土の整備の課題等についても、県土整備部部長の森戸義貴様から直接講演いただきます。
今回の3つの講演は、日頃聞けない話題も含め興味ある内容の講演です。また、土木施工を担当する技術者にとっても施工に関わって極めて有益な情報を得ることが出来ます。多くの方々の参加をお待ちしております。
講演会は、土木学会CPDプログラム及び土木施工管理技士会CPDSプログラムとして登録申請中です。
記
主 催:一般財団法人 地球システム総合研究所
後 援:京都府土木施工管理技士会
日 時:平成30年1月26日(金) 午後1時30分~5時
会 場:京都大学楽友会館 2F講堂
定 員:120名
参加費: 資料代2,000円(法人・一般会員は年会費に含まれています)
【内容・講師】
13:30~13:35 開会挨拶 京都地盤研究会 会長 大 西 有 三(関西大学客員教授、京都大学名誉教授)
13:35~14:35 「景観性に優れたプレキャストアーチカルバート普及を目指して-模型実験による耐震設計規範の構築-」
京都大学大学院工学研究科教授 岸 田 潔
14:45~15:45 「地殻変動データから探る南海トラフ巨大地震の地震像」
京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授 西 村 卓 也
15:55~16:55 「和歌山県の県土整備の現状と課題」
和歌山県県土整備部 部長 森 戸 義 貴
16:55~ 閉会挨拶 京都地盤研究会 副会長 岸 田 潔
(京都大学大学院工学研究科 教授)
申込み方法:平成30年1月19日(金)までに別紙FAX用紙に、申込み代表者名、参加者氏名、勤務先所属等を記入の上、事務局までお申し込み下さい。
申 込 先:(一財)地球システム総合研究所内 京都地盤研究会 宛(TEL: 075-354-5020 FAX: 075-354-5030)
*お願い:事務局にはスタッフが常駐していません。ご用の場合は、080-5632-2278(事務局担当代表幹事安川)まで連絡下さい。
:土木施工管理技士会連合会によるCPDSの認定証明が必要な方は、申込用紙にその要否をご記入下さい。当日は、ご本人を証明するCPDS技術者証または運転免許証をご持参下さい。